第10話

景親。



―――…幸せかい?



会うたびにいつも聞いていた言葉に君が頷くことはなかったね。



……俺のせいで真っ暗な道しか歩ませてあげられなかったことを、今でも後悔しているよ。



君には幸せになってほしいと心から願っているのに、どうして君は幸せから遠ざかろうとしてしまうんだろうね。



神様がそう仕組んだんだと思う?




俺は君がわざとそうしているようにしか思えないよ。



幸せになりたいなら、どうか手を伸ばしてください。



―――…自分から求めれば、きっと誰かが手を伸ばしてくれるから。



誰かが……君を救ってくれるから。





どうか、どうか君が早くそれに気づいてくれますように。



ねえ、景親。

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