第9話

蘭勝。



―――…何でだろう?



君との思い出はたくさんありすぎて、断片でしか思い出せない。



君と出逢ったときのあの頃。



君が俺の病室に来てきたときのあの時。



君が俺と仲良くしようと近づいてきたあの時。



君が駅前で約束していた時間より遅れてきた時。



君が俺に弱音を吐いてくれたあの時。



君が俺に怒ってくれた時。




―――…たくさんの馬鹿をしたけど、君が一番の俺の思い出の中に入っている気がするよ。



俺の親友だった君へ。







……どうか、どうか君に相応しい親友が現れますように。



俺みたいな死ぬだけの相手ではなく、君の傍に一生いられる誰かを。



ねえ、蘭勝。

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