第3話
深夜。
こうして死ぬだけの俺だったけど、君と最後に会うことができてよかったな。
少しだけ俺の想い人の話をすることがあったけど、どうかそれを忘れないで。
どうか――…彼女のことを覚えていてあげて。
君に少しだけしか愛をあげられなかったのが、悔やまれるなあ。
もっと、愛してあげたかったなー。
お金持ちだけど、両親に愛されず、兄弟にも蔑まれてきた彼を……もっと俺の手で幸せにしてあげたかったんだけどなー。
もう、お別れなんだと思うと、悲しいなー。
ねえ、どうか。
どうか、君がもう愛に飢えることがないように祈っているよ。
ねえ、深夜。
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