第117話
担当も本当は島津ではなく、大島なのだが、まあそれは置いておこう。
砦は裏道から出て、先程聞いた『婚約者』発言に頭を働かせていた。
……そして、ニヤリと笑って口を開く。
「ナメてんじゃねえぞ、兄貴。俺は紗綾のためなら、何だってできる男だぜ?」
その笑みを見た者は誰もいなかった。
砦は繁華街を歩いていると、ある商店街の一角に足を止める。
「お、そこのお兄さん。よかったら、味見していかない?」
その一角とは、紅茶の専門店なのかずらりと並んでいるのは全て紅茶の葉っぱ。
目を泳がせながら、一つのパッケージに目を留めた。
「今日は早朝に買ってくれたお客さんだけ安くしてるんだけど、よかったらお兄さん――」
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