第116話

……兄貴が、紗綾の婚約者?



それで全てがようやく繋がった砦は、一度彼に聞こえない程度に舌打ちをした。



そんなことも知らない一は砦の手を取って、立ち上がる。





「さんきゅー、弟君の弟君。」



「あ、俺は山崎と―――」



「あ、名前聞いても覚えられないから俺。担当も島津って名前だと思うけど、実際あってるか分かんないよ?だから、弟君の弟君でいいよね?その方が君も都合いいでしょ?……あ、てかもうこんな時間じゃないか。朝メニューがなくなってしまう。じゃ、俺はもうこれで行かせてもらうね。この辺、治安悪いから弟君の弟君も気を付けちぇ……、あ、噛んじゃった。最後の最後に噛むとかマジで恥ずかしいじゃん。あ、聞かなかったことにしてね、弟君の弟君。」



手を振ってから、この場を去って行くその男に心底腹が立つ砦。



―――…いちいち相手にしてられねえな、アイツ。

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