第9話

「……ッ、クソ!!」



砦はそう言って、私に歩み寄ってきた。



……殴られるのかもしれない。



ううん、でも私には殴られる理由がある。



それだけ酷いことを彼にしているのだから、そんなの当たり前だ。



私は覚悟して、彼に殴られることを予測して目を閉じた時―――…。









「女に手、あげんなよ。」



頭上から声が聞こえてきて、驚いた。



砦は私に歩み寄ってきていた足を止めて、そちらに視線を移す。



私も頭上から聞こえてきた声に見上げると、そこにいたのは―――…諏訪君だった。





「す、諏訪君?」



「ま、お前が手ぇあげるとは思ってねえけどな。」



煙草を吸っている最中だったらしく、砦を冷たく見下ろしていた。

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