第90話
俺はその時、禁句を言ってしまったのではないかと思った。
ふと顔を上げて大稀の方を見ると、彼は物凄く悲しい顔をしていた。
……やってしまったと思っても、もう遅い。
殴られるかもしれないという覚悟を持っていたのだが、大稀はそんな行動はとらなかった。
「……そうだね。全てを変えてくれたのは、ツチサカさんだよ。」
―――…受け入れた。
俺の八当たりだといってもいいような言葉を、そのまま彼は受け入れたのだ。
どう、して?
今のは怒ってもいいところじゃねえのか?
「ツチサカさんには、とても悪いことしたって思ってる。……でも、彼は許してくれるんじゃないかって、勝手に思ってるんだ。」
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