第10話

彼の言っていることに首を傾げていると、私の少し後ろにいた砦が千歳さんの胸倉を掴んだ。



―――…咄嗟のことで驚いた。




「おい、テメエ。」



「あー、これやから嫌やったんよー。」



「紗綾に少しでも触りやがったら、殺すぞ。」



「分かっとるから。安心せい。」



“人のモンには手ぇ出さん”



そう言って千歳さんが胸の前で手を振ると、納得したのかは分からないが、砦はとりあえず千歳さんの胸倉からは手を離した。



……何事かと思ったわ。



これは私も警戒しないといけないわね。





「気をつけろよ、紗綾。」



「うん。」



「帰ったら、メールしろ。つか、電話しろ。」



「わ、分かった。」

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