第68話
私を視界に入れた彼は顔を歪ませる。
―――…そんな顔、しないで。
あなたの傷ついた顔を見たくて、こんな所に来たわけじゃない。
私は壁にもたれている彼の隣に腰をかけて、彼を見上げる。
伏し目がちの彼の目を見たくて、頬に手を添えて彼の顔を持ち上げた時、驚いた顔をしている砦を見て少しだけ可笑しかった。
ジッと彼を、見つめる。
「聞いて、砦。」
「………。」
無言の彼に何を言っていいか、イマイチ分からないけど――…何も言わないということは喋ってもいいということだ。
「さっきの砦………砦じゃないみたいだった。」
「………。」
「怖くて、思わず足が竦んじゃったよ。」
「………。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます