第67話

「―――…好きです。」



結局、出てきた言葉はそれだけ。



名前も呼べない、慰めの言葉すら出てこない。




だったら、あなたに伝えたい言葉なんて、これだけです。



好きなの、あなただけが。








「好き、……好きなの。」



溢れだして、止まらないこの想いをあなたに――…あなただけに受け止めてほしいの。



あなたじゃないと、意味がないの。






今にも溜まっている涙が溢れだしてしまいそうで、必死に泣かないようにする。



彼は俯いていたのに、そんな私の声、言葉を聞いてゆっくりと私を視界に入れてくれる。








「……紗綾?」



「砦。」



―――…ああ、やっぱりあなたが好きだ。

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