第69話

―――…そんな顔、しないで。



こんなことが言いたいんじゃないんだよ。





「砦があの後、何人くらい殴ったのかとか分かりたくもない。」



「………。」



「でもね。」



「?」




でも、ね。















「そんなあなたのことを私はもっと知りたいと思った。」



どうしてあなたがあそこであんなことをしてしまったのかとか、あなたがどんな気持ちでここにいるのかとか――…あなたの全部が私は知りたいの。







「暴力はいけないことだと思うし、砦にだってそんなことはしてほしくないって思ってる。」



「………っ。」



「でも、やっぱり好きな人のことは――…どうしても贔屓に見ちゃうんだね。」



「……好き?」



「うん、砦のこと――…好き。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る