第46話

その呼び方が、一瞬だけ砦に重なった。



―――…兄弟だから仕方ないけど、一瞬でも重なったことが少しだけ嫌だった。






「砦はダメだ。アイツは――…やめておけ。」



どうしていつも、そうやって私に忠告をするの?



兄が大稀だから?





「放っておいてください!」



「親切に言ってやってんだよ。」



「男の人ってどうしてそうやって、いつも自分が一番正しいって思うんですか!?私には私の考えがあるんです!」



放っておいて、ほしい。



だって、彼のことがこんなにも好きなのだから、諦めるなんて私にはそんな選択肢はないのだ。



―――…もう、そんな選択肢は最初からない。

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