第45話
「なるほどな。花子の気持ちはよく分かった。」
彼が花子と呼ぶのはいつものことだが、違和感を感じる。
私の気持ちを分かってくれているなら、どうして『紗綾』と呼んでくれないの?
本心を伝えたい時や彼が本当に理解した時、彼は呼び方をきちんと変えてくれるはずだ。
―――…何が、伝わらなかったの?
「だがな、紗綾。―――…それじゃあまだあめえよ。」
「甘い?」
「お前に砦は扱いきれない。」
言い切った彼に私はむっとなる。
彼に砦の何が分かるというのだろう?
ランカさんに、そんなことを言われる筋合いはない。
「そういう話なら、聞かないです。」
「紗綾。」
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