第13話
目をつぶった時の様な
暗闇が一面を覆う
下を覗き込むが
底が全く見えない
左右に首を巡らせても
闇が先に続くばかり
窓ガラスに阻まれ
上は確認出来なかった
恐らく同じ景色だろう
やはり異様だ
普通じゃない
壁の距離には限界があるはずで
先には必ず道路沿いの光が差し込むはず
それが何も存在しないという事は
つまり
ここが地下だからだ
そうに違いない!
私は暗闇の先に片手を伸ばし
壁の存在を確認してみた
手の平は宙を掴み
振り回してみても
物質らしきものは何もない
ビルの周りが
広い空洞になっているのかも知れない
急に目眩に襲われ
私はふらつき
危うく前倒れに外へ落ちそうになった
咄嗟に背中を後ろに反って
床に尻もちをつく
呼吸をしていなかった事に気付き
空気を必死にむさぼる
目が痛く喉が乾き
胃が逆流しそうだ
外の空気はとても薄い
むしろ自分の症状からみて
真空に近かった
横に倒れて
しばらく咳き込む
落ち着くと直ぐ様
漏れる空気を防ぐ為
窓を閉めた
これで
地下にいる事が確信できた
後は
ひたすら階段をかけ上がれば
出口に到達できるはず
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