第6話

「ええーーー


我ら〜

姫様もあえなく我が敬愛するお頭、貴女様のお父様とお兄様と同じくお亡くなりになられたと涙していました


是非、お家再興

跡目を引き継ぎ、寄る辺なき我らをお嬢様が取り纏めーーー」



「それはならぬ

〜もぅ私は過去を捨てた身


そちらももう

父や兄者が作ったつまらぬ掟や、融通の利かぬ規則に縛られず自由に生きればいい


こちらはこちらで策……考えが有る故

ーーーよいな?」


「ーーー御意

仰せのままに」



フイッと何事もなく気配が消える




禍々しい闇が途端に消え失せいつもの夜に変わる




「ここも潮時かーーーー」


フゥッとレダは長い溜息をつく


善良な、私を無償の愛情で助けてくれた、心の優しい人達に迷惑は掛けられない


がーーー然りとて、あの執念深い『生き残り』達


跡継ぎと言う名の便利な『駒』となる人材が、今ここに五体満足で生きてるとわかった以上、オメオメ自分を見逃すとも思えなかった。



だいいち既に、彼女自身も身寄りの無い子ども達を集めて、宿経営以外義賊としての生き方を別口で始めている。


ーーーーもういい加減手一杯だ


「さてーーーどうしようか……」


レダはしかめっ面で、ギューーッとこめかみを綺麗な指先で押さえる。



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