第3話
「レダ」と名付けられた可愛らしい少女は、スクスクとめざましく病気知らずに大きく育つ
「おじいさんおばあさん、もう私がしますから休んでいて下さい」
「そんな!幼いお前にそんなことさせては……!」
「いいんです、任せて下さい」
レダはニコッと優しい笑顔を向ける
彼女は不思議な事に異様に商売が上手かった
ボロいとは言え一応は商取引を、長年宿の経営に携わってきた老夫婦以上に数字にめっぽう強かった
〜というか、何所で学んだのか?
複式簿記の知識や、他にも文字の読み書き
富裕層の男性並み、空恐ろしいほどに高度な知識を持っていた
謎めいた行き倒れの美少女
ーーーと、普通だとこの辺りで
「こやつは何者?!」
〜幾ら相手が幼きとはいえ、少女の出自を訝しく怪しむはずなのだが
「この子は賢いねぇ」
「凄いねぇ、まるで天が私達につかわした天使様だよ!」
ニコニコと手放しで褒めちぎった
「いらっしゃいませーーー!」
愛くるしい明るい笑顔のレダのお陰、宿屋「レダ亭」はみるみる内に繁盛店になった
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