第87話

◇ ◇ ◇





「カルナさん、今日はありがとうございました。 とても楽しかったです」


「こちらこそ、とても楽しかったです。 ありがとうございました」


 カルナさんとのデートが終わり、あっという間に帰る時間になってしまった。

 時間がすぎるのはあっという間で、なんだか名残惜しいなと感じる。


「あ、そうだ。カルティナ姫」


「はい。何でしょうか?」


 カルナさんはわたしのそばへやって来ると、わたしの目の前でポケットから、何かを取り出した。


「僕からカルティナ姫に、プレゼントがあるんです」


「プレゼント?」


 わたしに、プレゼント? 何だろう?


「今日のお礼です。 ぜひ、受け取ってください」


「……え、これって」


 カルナさんがプレゼントしてくれたのは、わたしが大好きなカワウソのキーホルダーだった。


「カワウソ……ですか?」


「カルティナ姫は、カワウソが好きだと聞いたので。思わず買ってしまいました」

 

 カルナさんは照れくさそうに渡してくれる。


「ありがとうございます、カルナさん。……わたし、すごく嬉しいです」


 カワウソのキーホルダー、とても可愛い。愛くるしい。

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