第86話

カルナさんも優しい人だから、わたしのことを褒めてくれるんだ。


「姫、姫は次何が見たいですか?」


「そうですね……。なら、順番に見ていきたいです」


「ではそうしましょう」


「はい」


 カルナさんとわたしは、園内をゆっくりと歩きながら動物たちを見たりした。


「見てください、カルナさん。孔雀がいますよ!」


「孔雀?」


 わたしがカルナさんの方を見ると、カルナさんは孔雀を見て不思議そうな顔をしていた。

 

「……もしかして、孔雀を知らないですか?」


 と問いかけてみると、カルナさんは「はい、見たことないですね。 僕のいるライナ王国には、孔雀という動物はいなかったので」と答えた。


「そうだったんですか」

 

「すごいですね、これが孔雀ですか。 なんか迫力ありますね」


「そうなんですよ。すごくカッコイイですよね!」


 カルナさんは孔雀を見てすごく好きになったのか、釘付けになっていた。

 わたしはそんなカルナさんの姿を見て、カルナさんの新たな一面を見た気がした。


 カルナさんは少年みたいな笑顔で笑っていて、そんなカルナさんのことを見て、少し親近感が湧いた。

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