第82話

レストランの中に、まだ人は数人しかいなかった。


「どこでもいいみたいですね。 あそこに座りますか?」


「そうですね」


 ルイトさんとわたしは、奥の窓側の席に座った。


「好きな物を食べて下さいね、姫」


「ありがとうございます」


 メニューを注文したわたしたちは、他愛もない話をしながら食事をした。






「ごちそうさまでした」


「美味しかったですね」


「ね、美味しかったです」


 レストランでの食事を終えたわたしたちは、再び施設の中へと移動する。


「姫がやりたいことがあれば、何でもお付き合いしますよ?」


 優しいルイトさんは、わたしのしたいことを全部やってくれると言ってくれる。

 そんなルイトさんの優しさに、わたしはなんだか安心感を覚えていた。


「ルイトさん、お待たせしまっ……きゃっ!?」


 夕方になり帰ろうという話になり、それぞれ着替えたわたしたち。

 ルイトさんの元に駆け寄ろうとしたわたしは、出口の段差に躓いてしまった。


「姫っ……!!」


 そんなわたしを、ルイトさんはまた助けてくれたのだった。


「カルティナ姫、大丈夫ですか?」

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