第80話

やだ、わたしったら……! 言われたそばから躓いてしまうなんて……!


「姫は意外と、おっちょこちょいなんですね」


「す、すみません、ルイトさん」


「謝らないでください。 ケガが無くて何よりです」

 

 ルイトさんは優しいなあ……。こんなわたしに優しくしてくれる。


「き、気を付けますっ」


「さ、行きましょう?」


「……はい」


 ルイトさんはわたしの手を取ってエスコートしてくれた。


「まずは何より大切な準備運動からですね。準備運動しておかないとケガしますから」


「は、はいっ」


 ルイトさんに教わった通りに、準備運動をしていく。


「どうですか? 少し身体温まりましたか?」


「はい。ポカポカしてきました」


「ではまずは、トランポリンからどうですか?」


 ルイトさんは目の前にある大きなトランポリンを指差した。


「あれが……トランポリン?」


「そうです。 やったことないですか?」


「は、はい。初めてです」


「そうですか。とても楽しいですよ」 


 まさかトランポリンを跳ぶなんて、想像したこともなかったよ。

 ちょっと不安だ、わたしみたいな素人でも出来るのかな……?

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