第79話

「では姫、まずは着替えて来てください」


「え、着替える?」


「その格好では、ドレスが汚れてしまいますよ?」


 なるほど……。そういうことなら、着替えないとダメね。


「分かりました」


「更衣室はあちらです。 そうですね、十分後にここに集合でいいですか?」


「十分後ですね。分かりました」


 それぞれ更衣室に行き、動きやすい服に着替える。

 いつも髪は下ろしてるけど、動くとなると絡まりそうなので束ねることにした。


「ルイトさん、お待たせしました」


「姫、ジャージも似合ってますね」


「そ、そうですか?……ありがとうございます」


 普段あまりジャージを着ることがないのでちょっと不安だったけど、似合ってると言われてホッとした。


「では行きましょう」


「は、はい」


「ここ段差があるので、気を付けてください」


「は、はい。ーーーきゃっ!?」


 ルイトさんからそう言われたばかりなのに、わたしは入り口の段差に躓いてしまった。


「おっと……!」


 そんなわたしを、ルイトさんは抱き止めて助けてくれた。

 

「大丈夫ですか?姫」


「す、すみません……」

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