第69話

「……嬉しいな、好きな物を用意してくれるなんて。 ありがとう、カルティナ姫」


 アレンさんの嬉しそうな顔は、忘れられないなって思う。


「このミートパイ、美味しかったヤツですよね。前にアレンが買ってきてくれて、すごく美味しかったです」


 ルイトさんがミートパイを見て、そう言っていた。


「はい。なのでお二人の分も、ご用意しました。 どうぞ食べてください」


「では、いただきます」


 アレンさんはミートパイをナイフで切ると、フォークでそれを口にする。


「ん、美味しいです。カルティナ姫」


「良かったです」


「本当に、美味しいですね」


 ルイトさんとカルナさんも、美味しいと言いながら食べていた。


「うん、美味しい。……アレンさんの母国の味、最高ですね」


「姫、本当にありがとうございます。 また食べられて、嬉しかったです」


 アレンさんがすごく喜んでくれたから、わたしまで嬉しく思えた。


「お待たせ致しました。 ローストビーフとパスタをお持ちしました」


「ローストビーフ? え、ローストビーフもあるんですか?」


 ローストビーフに反応したのは、ルイトさんだ。

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