第68話

そう言ったわたしに、ルイトさんとアレンさんは驚いていた。


「めちゃくちゃ美味しいです。姫はいつもこんなに美味しい料理を食べてるのですね。 羨ましい限りです」


「そう言ってもらえると、嬉しいです」


「今日は本当に来てよかったです」


「ありがとうございます、アレンさん」


 みんなの美味しそうな顔を見れて、わたしも本当に嬉しい。

 みんなで食べる食事って、本当に美味しいな。


「皆さん、お待たせしました。 こちらをお持ちしました」


 そしてマロミさんは、わたしが頼んだ【アレ】を持って来てくれた。


「こちらは、カルティナ姫から頼まれてご用意させて頂きました。 ミートパイでございます」


「え?……ミートパイ?」


 そう。わたしはマロミさんに、アレンさんのためにミートパイを買ってきてほしいと頼んだのだ。

 ミートパイが大好きなアレンさんに、母国の味を食べさせたくて、今回用意することにした。


「はい。 アレンさんのために、用意しました」


「……僕の、ために?」


「はい。アレンさんのために」 

 

 アレンさんは目の前に置かれたミートパイを見て、とても嬉しそうだった。

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