第53話

お父様がそう言ってくれるから、わたしは「……うん」と返事をした。


「カルティナ。父さんも、お前の幸せを一番に願っているからな」


「うん。……ありがとう、お父様」


 お父様はわたしの幸せを、一番に願ってくれているということは、知っている。

 だからこそわたしは、その【幸せ】を見つけるために今奮闘している。


「……わたし、幸せになれるかな?」


「大丈夫だ。必ずお前を幸せにしてくれるよ、あの三人なら」


 あの三人の中から、誰か一人を選ぶということはなかなか難しい。 みんな優しくて、みんないい人たちだ。

 みんなわたしを幸せにしたいと言ってくれて、わたしに【好きです】と愛の言葉をくれる。

 それはものすごく嬉しいし、アレンさんなんて手の甲に、キ……キスをしてくれたし。

  

 その、なんとも言えない気持ちになるなーとは思った。

 わたしにとっての王子様は……。一体誰なんだろう?


「ねぇお父様、お願いがあるの」


「ん? お願い?」


「うん。あの三人と一緒に、食事をしたいのだけど」


 一人ずつデートはしたから、三人一緒に食事をしたいなって思った。

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