第50話

アレンさんはわたしにだけでなく、お二人にも優しいのだと思った。

 言ってしまえば、お二人はライバルだと言うのに。


 その後はアレンさんと近くのビルにある雑貨屋さんやアクセサリーショップなどを見たりした。

 可愛いアクセサリーがあったのか、アレンさんはわたしに「これ、姫に似合いそうですね」と言ってくれた。


「え? そ、そうですか?」


「はい。とてもよく似合っています」


 と、アレンさんは笑ってくれた。


「姫は何でも似合いますよ。今度、姫のためにアクセサリーをプレゼントをしますね」


「い、いえ!そんな! だ、大丈夫です!」

 

 アレンさんからプレゼントをもらうなんて、申し訳ない。

 まだその、結婚するかどうかも分からないのに……。


「いえ。僕がしたいんです、姫のために」


「……アレン、さん」

 

 アレンさんは本当に優しい人だ。……アレンさんみたいに優しい人なら、モテるのは間違いないよね。

 

「なのでカルティナ姫」


「は、はいっ……?」


 アレンさんはわたしの右手を取ると、目の前でひざまずく。

 ーーーまるで映画に出てくる、ワンシーンみたいに。

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