第42話

「……あの、やっぱりピンクの髪だと、一緒に歩くの恥ずかしいとかありますか?」


 アレンさんは突然、わたしにそう問いかけてくる。


「えっ……!?」


 まさかそんなことを聞かれると予想もしていなかったからか、変な声が漏れてしまった。


「いえ。なんていうか……ピンクの髪がやはり目立つとなると、髪色を変えなければならないような気がして」


 アレンさんからの問いかけに、わたしは「いえ、そんなことないですよ。 アレンさんはピンクの髪がとても似合っているので、変える必要はないと思います」と答えた。


「本当ですか?」


「はい。……アレンさんだから似合う色だと思うので、変える必要なんてないですよ」


 再びそう伝えると、アレンさんは「良かった。姫にそう言ってもらえたから、自信が付きました」と安心したように笑った。


「……だってアレンさんはアレンさんですし、周りの誰かと比べる必要なんてないですよ」


「ありがとうございます、カルティナ姫」


「いえ」 


 そんな会話をしていると、ちょうど時刻表通りにバス停にバスが停車した。


「さ、乗りましょう」


「はい」

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