第41話

わたしたちはミートパイが美味しいというお店に行くことになった。

 アレンさんはピンク色の髪が特長的だから、こうして二人で並んでいると、周りがなんだかザワザワするのを感じる。

 それだけでなく、アレンさんはとても背が高いからより目立つ。


「見て〜ピンクの髪よ!」


「超カッコイイわよね〜!?」


 なんて声がちらほらと聞こえてくる。


「あの二人、お似合いよねぇ」


「さすがカルティナ姫!姫様も可愛い〜」


 歩く度にそんな声を聞いてしまうと、なんだか恥ずかしい気持ちになってしまう。 


「あ、あの、姫。そのお店はどこにあるのですか?」


「……え?」 


 ……き、気まずい。どうしたらいいのだろうか。


「カルティナ姫? どうかされましたか?」


「あっ、いえ。……あの、ここから歩くと三十分くらいはかかるので、バスで行きましょうか」


「そうですね。そうしましょう」


 わたしたちはバス停まで歩くと、バスが来るのを並んで待つ。


「アレンさん、すごく目立ってますね」


「そうですか?」


「はい。やっぱりそのピンクの髪、ですかね?」


 歩く女の子がみんな、アレンさんを見ている。

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