第22話

本物っていうのが、何なのか……。わたしにはまだ想像でしかないけど、何となくは分かる。


「あの三人は、みんなお前を大切にしてくれるであろう婚約者候補たちだ。何も心配することはないよ、カルティナ」


 そう言って微笑みを浮かべるお父様は「じゃ、わたしは用事があるから出かけてくるよ。今日はもう、ゆっくり休んでいなさい」と言って玄関の方へと歩いていった。

 

 みんなわたしを大切にしてくれるであろう、三人の王子たち。

 わたしはそんな三人の中から、結婚相手を選ぶことは出来るのだろうか……。

 そもそも結婚相手を選ぶのに、どうしてこんなに苦労しなくてはならないのかも、わたしには謎でしかない。


「ルイトさん……。カルナさん……。アレンさん……」


 わたしが三人の中から結婚相手を選ぶとしたら、誰なのだろうか……。

 みんな顔立ちはもちろん、性格も体型も考え方も違う三人なのは間違いない。

 

「……難しいって、そんなの」


 三人の中から一人だけを選ぶなんて……。 


「やっぱりわたしには、荷が重いわ……」


 三人の王子様は、みんなそれぞれ魅力がある訳であって……。

 難しい選択に、なりそうな予感がする。

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