第三章 婚約者候補②カルナ

第21話

ルイトさんとのお出かけ?を終えたわたしは、屋敷へと戻った。

 そして部屋に戻る途中で「カルティナ」と声をかけられる。


「あ、お父様」


 声を掛けてきたのは、お父様だった。


「カルティナ、身体はもう大丈夫なのか?」


 お父様は心配そうに、わたしに問いかけてくる。


「ええ、もう大丈夫です」


「それは良かった。だが、あまり無理をしてはいけないよ」


「分かっています」


 そう言ってくるお父様に、わたしはそう返事をした。 


「……所でカルティナ、今日はルイトくんと出かけていたんだろ?」


「え? な、なんで知ってるの……?」


 そう聞くお父様の表情はなぜかちょっとだけ、嬉しそうでもあった。

 

「どうだったんだ?ルイトくんとは」


「え? どうだったって言われても……」


 どうだったと言えばいいのか……。恋愛経験がないわたしには、分かりもしない。

 普通の女の子なら、こういう時は何て言うのだろうか……?


「少しはお互いのことを知れたのではないか? ルイトくんは君を本当に、大切にしたいと言ってくれているし」


「……え、そうなの?」

 

 ルイトさんの気持ちは、やっぱり本物なのかな……?

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