第20話
「僕たちはここまで切磋琢磨しあって戦って来ましたので、もし姫との結婚相手に選ばれなかったとしても、僕たちは後悔はしません」
「……ルイトさん」
ルイトさんは優しい人だ。わたしの気持ちを組んでそう言ってくれるのだから。
三人の中の誰かを選ばなければならないという状況の中で、わたしはものすごく重圧を感じていた。
「カルティナ姫との結婚は、僕たちの人生の中で一番の幸せになると思います。でも僕たちの使命は、あなたを幸せにすること。……なので僕たちは、あなたを幸せにすることだけを考えています」
そんなことを真剣な顔で言われたら、わたしはどんな顔をすればいいのか分からなくなってしまう。
「……ありがとうございます。そんなことを言っていただけて、嬉しいです」
「僕たちの愛は、゙本物゙ですよ?」
「……本物?」
本物、か。 確かにこの結婚は、わたしからしたら【政略結婚】というものになるのだろう……。
だけどルイトさんと話していると、そんな感じに聞こえないから不思議な気持ちになる。
「そうです。あなたへの愛に嘘偽りはありませんので、どうぞご安心ください」
嘘や偽り……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます