第20話

「僕たちはここまで切磋琢磨しあって戦って来ましたので、もし姫との結婚相手に選ばれなかったとしても、僕たちは後悔はしません」


「……ルイトさん」 


 ルイトさんは優しい人だ。わたしの気持ちを組んでそう言ってくれるのだから。

 三人の中の誰かを選ばなければならないという状況の中で、わたしはものすごく重圧を感じていた。

 

「カルティナ姫との結婚は、僕たちの人生の中で一番の幸せになると思います。でも僕たちの使命は、あなたを幸せにすること。……なので僕たちは、あなたを幸せにすることだけを考えています」


 そんなことを真剣な顔で言われたら、わたしはどんな顔をすればいいのか分からなくなってしまう。

 

「……ありがとうございます。そんなことを言っていただけて、嬉しいです」


「僕たちの愛は、゙本物゙ですよ?」

 

「……本物?」


 本物、か。 確かにこの結婚は、わたしからしたら【政略結婚】というものになるのだろう……。

 だけどルイトさんと話していると、そんな感じに聞こえないから不思議な気持ちになる。


「そうです。あなたへの愛に嘘偽りはありませんので、どうぞご安心ください」


 嘘や偽り……。

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