第14話

お父様にも「結婚相手はお前自身が選ぶんだ。お前がいいと思った人を選びなさい」と、釘を刺された。


「……分かり、ました」

  

 そうだ、これがこの国のルールだ。

 あの中の誰かと結婚して、わたしはその王子との子供を授かることが、わたしにとっての……。女性にとっての幸せだということ。





◇ ◇ ◇ ◇




「カルティナ姫、近くに湖があるのですが、行ってみませんか?」


「……湖?」


 湖があるんだ、知らなかったな……。


「はい。どうですか?」


「……はい。行ってみたい、です」


「では行きましょう、こちらです」


 ルイトさんは、微笑みを浮かべて手を差し伸べてくれた。


「あ、イヤ……でしたか?」 


 わたしはその手を取ると「いえ、ありがとうございます」と微笑んだ。

 歩くこと約十分、辿り着いたその湖は、とてもキレイな場所にあった。

 

「うわっ……!キレイ!」


 とても大きな湖ではあるけど、幻想的ですごくキレイだった。

 

「僕はこれをずっと、あなたに見せたかったんです」


「……え、わたしに?」


「はい。やはりあなたにピッタリ、ですね」

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