第13話
頭を打っていたこともあり、目を覚ました後はレイリア王国にある総合病院にて脳の検査なども行った。
しかし脳にも体にも、他には異常はなかったため、翌日にはわたしは退院出来ることになった。
「命に別状がなくて本当に良かったな、カルティナ」
「はい。……ご心配をおかけしてすみませんでした、お父様」
「いいんだよ、お前が無事ならそれで」
お父様はその日、すごく心配そうにわたしを抱きしめた。
「……お父様、ごめんなさい」
「いいんだよ、カルティナ。無事で良かった」
お父様に心配をかけてしまったこともそうだけど、自分が死ぬかもしれないと思った時、わたしは咄嗟にお父様のことを思い出していた。
お父様ともっと色々なお話をしたかった、お父様と一緒にお出かけをしたかった。
色々なことを考えていたけど、こうして生きているだけで、ありがたいとさえ思えたのもまた事実だ。
「お父様……あの、あの三人のことなんだけど」
「婚約者、のことだね?」
「はい。……わたしはあの三人の中の誰かと、結婚しなくてはならないの?」
そうお父様に問いかけると、お父様は「そうだ」とだけ答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます