第二章 婚約者候補①ルイト
第12話
そしてその二日後、三人の王子たち。
ーーーいや、その日現れたのは、なぜかルイトさんだけだった。
「カルティナ姫、体調はいかがですか?」
「あの……はい、大丈夫です。 今日は、ルイトさんお一人なんですか……?」
と問いかけると「はい。今日は僕だけです」と答えた。
「そう、なんですか」
いきなり二人きりだと、結構緊張する……。
「姫、歩けますか?」
「……へ?」
「少し、近くを散歩しませんか?」
優しそうな表情でそう聞いてくるルイトさんに、わたしは「は、はい。お散歩、くらいなら……」と答えた。
「では行きましょうか、カルティナ姫」
「……は、はいっ」
そして手を差し出すルイトさんの手を、わたしはそっと取った。
二日前の夜、目を覚ましたばかりのわたしに、父は「どうだ? まだ体は痛むか?」と聞いてきた。
「うん、少し。……でも大丈夫よ」
事故に遭ってからの記憶はほとんどない。 覚えているのは、何かにぶつかったことだけだ。
気が付いたらわたしは、数週間も眠りについていたそうだ。 命に別状はなかったそうだけど……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます