第11話

そう言ったアレンさんは、わたしの手を握ると、手の甲にチュッとキスをした。


「……っ!」


 え、えっ……!?


「おい、アレン……!」


「おい、アレン!お前言ったそばからなんてことを……!」


 と慌てふためく二人をよそに、アレンさんは「僕は姫様への愛がたくさん溢れてますから、きっと僕を選んでくれると信じてますよ?」と言ってきた。


「へ……あ、アレンさん……!?」


 アレンさんからの愛の告白に、ドキマギしてしまうわたしをよそに、アレンさんはにこやかに微笑みを浮かべていた。


「カルティナ姫、僕たちは今日はここで失礼致します。 また明後日に伺いますので、どうぞ今日はゆっくりとお休みなさってくださいね」


「では失礼します。ゆっくりなさってくださいね、カルティナ姫」


「あ、ありがとう、ございます」


 婚約者だという三人の王子たちは、にこやかに微笑み帰っていった。




「……婚約者って、言われてもね」


 事故に遭い目を覚ましたばかりのわたしの前に、いきなり現れた三人の婚約者たち。

 そんな三人の婚約者たちと、わたしのドキドキな日々が今始まろうとしていたーーー。

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