第4話

「お父様……。あの、今のもう一度言ってもらえますか?」


 と聞き返すと、お父様は「この三人は、君の婚約者たちだよ」と言ってきた。


 婚約者……。わたしの、婚約者……?

 ここにいる三人が、わたしの……?


「ええっ! こ、婚約者……!?」


 な、何!? ど、どういうこと……!?


「そうだ。君を妻にしたいと申し出てくれた、三人の王子たちだ」


「……お、王子?」


 え。お、王子……。


「そうだ。今ここにいる三人は、君の婚約者、ということだ」


 え、ちょっと待って……。


「……婚約者が、三人?」


 わたしの婚約者が、三人も……?


 頭の中にはハテナばかりが浮かぶ。

 一体お父様は何を言っているのか、わたしにはまだ理解出来そうにない。


「ではカルティナ、三人から自己紹介をしてもらうことにしよう。 わたしは用事があって出掛けなければならない。……目を覚ましたばかりなのに、すまないね」


「え!? あ、お父様……!?」


 そう言いながら、お父様は部屋を出ていってしまった。


「えぇ……」


 ど、どうしたらいいのだろう……!? 

 いきなり三人の婚約者がいる、と言われても……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る