第一章 現れた三人の婚約者

第3話

✱ ✱ ✱


 


 ーーーわたしが目を覚ましたのは、それから数週間後のことだった。



【カルティナ!カルティナ……!】


 頭の中で、お父様の声が聞こえる気がした。


 でもなぜだか分からないけど、お父様の顔が見えない。

 お父様……どこ? どこにいるの?

 お父様……会いたいーーー。


「カルティナ……!」 


 そう思ったその時ーーー。


「ーーーんっ……」


 わたしの頭に、ガツンとお父様の声が響いた。

 その声で、わたしはゆっくりと目を開いた。


「カルティナ姫!?」


「姫様!」


「カルティナ姫! 目が覚めたのですか!?」


 ーーーえ? 誰……?


「カルティナ!良かった……。良かった!」


「お父様……?」


 そう、わたしの目の前には確かにお父様の姿があった。ーーーのだが。


「お父様……。あの、こちらの方々は……?」


 わたしの目の前には、お父様の他にもう三人の男性たちがいた。


「カルティナ、こちらの方々はなーーー」


 そしてお父様の口から、衝撃の言葉が走った。


「………。え?」


 お父様、今なんて言ったの……? 

 薄っすらとした意識の中で、ちゃんと聞き取れた気がしなかった。

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