第2話

そして二十一歳になって間もない頃に【それ】は起きた。


「あ、危ない……!!」


 レイリア王国から徒歩で三十分ほどの距離にある隣町、サルビア王国に買い物に出かけたわたしを待っていたのはーーー。


「え?……っ!?」


 歩行者用の青信号を渡るわたしの前には、暴走したトラックがすぐそこまで迫っていた。

 そして咄嗟のことで、トラックを避けきれなかったわたしはーーー。


「きゃあああああ……!!」


 そのままトラックと接触し、事故に遭ってしまった。


「っ……」


 すごく痛い、身体が動かない。意識が薄っすらとで……何も分からない。

 わたし……一体どうなったの? え、わたしもしかして……死ぬの?

 本当に、死んでしまうの……?


「すいません!急いでください……!!」


 どこかの女性の声が、近くでちょっと聞こえる。


「カルティナ姫、大丈夫ですか!?」


 身体を揺らされて声をかけられるけど、意識がボーッとしてしまってうまく答えられない。

 なんか……すごい血が出てるし。 ていうかわたし、すごく血まみれなんだけど……。


 そして薄っすらとした記憶の中で、わたしはついに意識を手放したーーー。

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