第62話
「ねぇ?あなた、自分の居場所はどうなったの?」
「あぁ?あ~っ。あぁ。うん。解決したから」
「解決?」
「あぁ。問題ないみたいだから。いい」
「問題?どんな問題?」
「めんどくせぇ女。いいから。ムーンのこと話すぞ。ムーンは凄いぞ」
なぜか、無理矢理自分の飼い猫のことを話し出す。
ムーンを最初に見たのは今日みたいな天気。
大きめの段ボール入れられていたのは子猫。
パーカー男はいつも通る道だから毎日子猫を見ることになる。
誰が拾ってくれるだろうと思っていた。
でも、鳴く声を聴いても誰にも拾って貰えず衰弱していく。
パーカー男は、仕方なくネコを連れて帰った。
綺麗なタオルで優しく包み込み、ミルクを口元に持っていくと必死に飲んだ。
「そん時、必死に生きようとしてんだなぁって思った。ちいせぇのに。凄いと思わねぇ?生きる希望を捨てようとしねぇ。人が近づくと鳴く声を大きくさせる。助けてってずっと叫んで、生きたいってずっと願っていて」
……………………。
「俺、動物好きだし」
「なんで、ムーンのこと言ったの?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます