第48話

「だから、めちゃくちゃ怒ってたんだって!あんなの初めてだぞ!ターゲットになった時だって、ボケッとしてた奴なのに!ヤバイと思ったから椎名を全力で探してたんだ!しかも、誰も椎名の携帯番号知らないもんだから焦ったし!もっと周りと交流しろ!」



……………………。



「で?そのパーカー男は?」



「白井が何故か追われて全力で自室に逃げた。でも、あの馬鹿は部屋まで入って来ようとしたが……………………他の男達で押さえた。今、白井は部屋にいる。馬鹿は部屋のチャイムをずっと鳴らしてる。もう、恐怖しかねぇだろうな。チャイムが壊れたら弁償しなきゃダメだよな」



……………………。



「柚月達もお手上げなんだよ。相手はあの馬鹿だ。俺たちが考えもしたいことをやる男だ。教師相手でも平気で殴るような男だ。自分の立場なんて関係ない。自分がしないようにする。相手の意見なんてものは考えない。それがあの馬鹿だ。あいつには本当に手が焼ける」



「お手上げですね」



「まだ、何もしてねぇだろ!!諦めるな!」



「あのパーカー男をどうにかしろなんて無理です。近付きたくない。面倒だし。なんだか怠いし。疲れたし。今日は初めてゲームセンターに行ったので嫌です。耳が痛くて。頭の中でゲームの音楽がずっと鳴っているので。もう、会話なんてしたくない」

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