第47話

1回目の挑戦は失敗し、2回目の挑戦では足が他のぬいぐるみとぶつかり失敗。


3回目は持ち上がることはできたが途中で落ちた。


4回目も3回目と同じように途中で終了。


そして、5回目の挑戦。


さっきとは違った場所に差し込んで、足を引きずるようにして持ち上げる。


ズルズルと引きずりアームは穴の上で開く。


これはいけると思った瞬間、ネコの頭が穴の中に入った。


途中で引っかかったが手を突っ込んで引っ張り出す。


そして、取り出したネコのぬいぐるみをまじまじと見る。


うん。


上出来だ。


他のゲーム機も見てみよう。


折角の機会だ。


いろいろやってみよう。






いくつかのゲームを楽しむこと4時間。


そろそろ、ホテルに戻るか。


ゲームセンターから出て電車に乗り来た道を戻る。


朝と違って帰りは少し時間がかかってしまった。


帰るとなると気が重くなるというか………………


疲れたのか怠い感じがする。


ホテルのロビーまで行くと、何やら騒がしさを感じた。


何かあったの?


誰かが私を見ると指を差して叫んだ。


すると、全員が私を見る。


並木先生までも。



「椎名!お前な!お前な!お前!!!!!」



「落ち着いて下さい。ついに、自覚しましたか?パーカー男が好きだと」



「違う!!ふざけてんな」



「私は、真面目に言っています」



「違う!んなのどうでもいい!あの馬鹿野郎が、お前を探してたぞ!めちゃくちゃ怒ってた!朝食の時にお前を迎えに行ったらいなくて。レストランで大声出して!ナイフを隣にいた女に刺して!………………かすっただけだが。んで!んで!今は白井が頑張ってる」



だから?



「分かりません。全く分かりません」

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