第44話

「は~ぁ」



「ため息するな。イラッとするだろ」



「それはごめんなさい…………もう、食べ終わった?帰るわよ」



「帰るのか?」



えっ?


帰らないの?


まだ、どこか行くの?



「あなた………馬鹿なの?居場所に入るなってことは、近付くなってことでしょ?私も、同じ」



意味が分からない人と一緒の行動は危ない。


微かな威圧感。


無な気配。


何かあるとしか思えない。


また厄介な事にはなりたくない。



「はっきり言うんだな。まぁいいんじゃね?でも、明日の予定は絶対だ。ばばぁに怒られる。自由行動はいい」



自由行動は当たり前よ。


なんのための自由行動なのよ。




ホテルに着くとパーカー男はスタスタ歩いていった。


満足したのだろうか。


一人でエレベーターに乗っちゃったし。


乗せてくれてもいいじゃないか。


私が乗ろうとしたら扉を閉めるとかありえないし。


…………………。


なんだか疲れる。


明日、逃げようかな。


このままあの男といたら熱とか出そうだ。

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