第39話

今の時間から体験するなら食べれないもの。



「なぁ?」



「何?」



「男も、案外イケるな」



「良かったわね。先生も良かったみたいだし」



「……………………お前いい性格してんなぁ」



「あまり近寄らないで。並木先生の視線が痛いから。あの人、本当に未知の世界に入ったのかもね」



「…………俺、どっちでもイケる」



この馬鹿な男をほっといてエレベーターに乗り込む。


部屋に着くとあの女はいなかった。


髪などの身支度を済ませて財布類を確認してから部屋を出た。



一階に行くと並木先生が死んだように椅子に座っていた。


まぁ、先生の仕事はしっかりしているようだが……………………


生徒の行き先を確認しているし。



「並木先生。男を好きになってもいいのでは?そっちのほうが面白い」



「椎名………お前…………俺、アイツ見るとヤバイ。」



……………。



重症だな。



「では、行ってきます」



「あぁ。さっき、アイツから聞いたが行き先は大丈夫か?」



「はい。体験をしに」



「よし。帰りの時間は守るようにな」



「はい」



「気を付けてな」



並木先生はヒラヒラと手を振って次の人の行き先を聞き始めた。


なんだかなぁ。


ここで立ち止まっていてもしょうがない。


行くか……………………

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