第26話

「良かったのかな。なんだか、あとのことが怖いよ」



「何言っているの?あなたが悪いわけじゃないのよ。なんで、あとのことが怖いのよ」



「そうだけど。う~ん」



ああいう面倒事はトップという存在に任せればいいの。


部屋に戻る廊下を歩いていると前から柚月が来るのが見えた。


他の3人はいないみたいだ。


珍しい。


いつも誰かしら一緒にいるのに。


一人で解決しにいくのかな?


でも、急いでるって感じじゃないな。


というか、知ってるの?



「椎名さん。遅かったね。話があるんだ。白井さんは部屋に行って」



白井は柚月の言葉に眉を寄せる。



「早く。邪魔。聞こえなかったのかな?」



「…………はい。椎名ちゃん。先に戻ってるね」



小走りで部屋に行く白井の姿を黙って見つめる。



「何?」



「場所を変えよう。これ、真面目な話だから」



……………………。


真面目な話ねぇ。


怪しい。



「かんけ「あるよ。かなりある。だから、来てよ。絶対に」



柚月の目ギラギラした裏の目ではなかった。


それより、何か焦った感じ。



「………………………分かった。行く」



「うん。こっちだよ」



柚月が案内した場所は用具室だった。


もっといい場所はなかったの?


なぜ、ここなんだ。



「で?何?」



「うん。3日前くらいに変なことを聞いた」



変なこと?



「3人の男達が、裏の奴と接触してるみたい。どうやら、人探しをしてるみたいなんだよね?」



3人の男達?

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