第24話

…………………………。




「やめろ!馬鹿だろ!お前は馬鹿だろ!」


「…………いい感じ」


「言うな!それを言うな!」


「感じるとかヤバイだろ。お前はなんでもいいんだな」


「いやいや!お前がヤバイんだ…………ぁあ」







………………………………。



現在、みんなは食事中のはずだ。


おいしいものを馬鹿食いしている人もいるわけで。


食事が大好きな人もいるわけで。


それを邪魔する奴は嫌いなわけで。


料理をしっかり味わいたいわけで。


だが、相手が【あれ】なわけで……………………………




『おい。もう部屋に行こうぜ。なんだか食欲がなくなった』


『俺もだ』


『私も帰ろう。ここのケーキおいしいって有名なのに。なんだか、食べたくなくなった』


『きゃーっ!本気みたいだよ!早く部屋に行こうよ!!』



ちらほらとレストランから出て行く人達が見える。



「おーい。椎名ちゃん?大丈夫?部屋に戻ろうか?おーい……………………………おぉ!ちょと椎名ちゃん!!何するの!?」



白井の制止を振り切り隣の席からナイフを奪い営みをしている輩の方向に投げつけた。


ナイフはまっすぐ椅子の背もたれに刺さる。


うん。


まだ、鈍ってない。


しっかり目標に命中した。


でもあのナイフのデザインだとちょっとやりにくかったな。


もう少し上に刺さっていたら頭に直撃だった。


危ない危ない。





命の危険を感じたのかパーカー男と並木先生の動きも止まった。


シーンとなるレストラン内。



「椎名ちゃん………凄い。カッコイイ!!スッゴイ!!」



興奮しているのは大食い女だけだった。



「戻る」



食べる気失せた。



「私も行く!」



トレーを返却するワゴンに食器を乗せてから出口に向かって歩き出す。


後ろからはテクテク歩いて来る白井だけ。




「椎名!まてーっ!待て!待ってくれ!!!」



何やら大声で叫んでいる並木先生。

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