第13話

私は、柚月の言葉を遮る。



「あなたから、自分のこと言われたくない」



「………そう」



……………。










「言わないの?」



柚月は、首を傾げる。



「今、言うの?」



「いや、今聞かれたでしょ?ビビリ君が、聞いたんだから言ったら?」



「パーカー男は、よく分からないから嫌」



「あぁ。それ、分かるかも」



頷く柚月。


バスは、ゆっくり動き出す。


秋田に着く頃には、日が暮れる時間だ。



「ねぇ?椎名さん。」



「何?」



「ビビリ君は、ホテルに籠ってると思うからグループ行動にはならないと思うよ」



「ホテルにずっといるの?」



「うん。だから、椎名さんが考えた予定はそのままでも大丈夫だと思う」



「そう。それ、聞いて良かった」



「でね?」



「嫌だ」



「まだ、何も言ってないけど」



「どうせ、並木さんから頼まれたんでしょ?一緒に行動しないかって」



「当たり。駄目?」



「嫌。私も、予定があるの」



「へ~ぇ。予定ね?あの予定表が?」

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