第10話

朝の両親のこともあり、疲れてしまっている私にとって今の状況はあまり良くない。


なので……………………


ネコを持ち上げてパーカー男の膝の上に乗せる。


起きるかと思ったが、パーカー男は起きなかった。



この男なら、目が覚めると思ったのに。


あの無な気配の持ち主なら。


起きる気配がない処か、頭が私の肩に乗った。


重い。


凄く重い。


ネコから男の頭に変わるとは思ってなかった。



サービスエリアに入って、休憩中でもパーカー男とネコは寝続ける。



「椎名さんが言っていたパーカー男ってこいつのことだったんだね?」



柚月は、椅子に足を乗せた状態で後ろを向いていた。


つまり、私を見下ろしている。



「よく寝るねぇ?寝る子は育つって言うけどさ?本当だよね。身長大きいから」



そうね。



「頭、重くない?大丈夫?」



大丈夫に見える?



「椎名ちゃん?重くない?なんか、辛そうだけど」



智子も、後ろを向いた。

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