第7話

謝るつもりないの?



「洋一!雪!うるさい!俺、寝不足なんだから寝させてよ」



前から聞こえたのは柚月の声。



「壱夜は、この痛みを知らないからだ!マジで、イテェ」



頭を撫でる洋一に対して、雪はプクゥと頬を膨らます。


パーカー男は、自分に当たった本と私に当たった本を片付ける。


鞄に入れるのかと思ったら、私に渡してきた。


どうしろと?


ネコを渡してきたり、本を渡したり。



「これ、どうしたらいいの?」



「暇なら読め。つーか、マジいてぇ」



…………。



パーカー男は、本が当たった部分を手で撫でる。


暇なら読め?


表紙を見ると、政治に関する本と貿易に関する本だった。



…………興味ない。



バスは、順調に進むが中は順調じゃない。


この男が現れたことで、予定がズレた。

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