第5話
更に近くなったことで、向かいの席に座る洋一は窓にべったりとくっつく。
バスは、ゆっくりと走り出した。
「そのネコ、フッシーのだったんだねぇ?可愛いね?」
雪は、寝ているネコの体を撫でる。
その撫で方が、厭らしいのは気のせい?
「フッシーって誰?」
「あれ?リンリンは知らないの?」
リンリン?
まさか、私?
馴れ馴れしい。
「リンリンの隣で寝てるのが、フッシーだよ」
あぁ。
このパーカー男?
「意味分かんない不思議君だから、フッシーなんだぁ。本名はなんだっけぇ?洋一!フッシーの本名は?」
「知らねぇよ!!忘れた!今は、それどこじゃねぇし!」
「は~ぁ。動物触れ合いの研修もあるのに大丈夫かなぁ?洋一、しっかりしなよ」
「てめぇは、動物の恐ろしさを知らねぇんだよ!
こいつらは、威嚇してくるんだぞ!!全然可愛くないし!」
ギャァギャァ騒ぐ声に反応したのか、隣のパーカー男がモゾッと動く。
何?
パーカー男は、モゾモゾと鞄から本を2冊取り出し騒いでいる2人に投げつけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます