第61話

「奥さんが?」



「うん。楽しみに待ってる。娘が来るって騒いでるよ。ホント、子供みたいにねぇ。凛ちゃんを見習ってほしいな。料理もたくさん作ってると思うから。なんかねぇ。お袋の味みたいな?実家が、田舎だから。料理も郷土料理っていうのかな?和風だね」



「ふ~ん」



「あと最終的には、戸籍を獅堂家から抜いて………………あとは、簡単でしょ?死んだことになった凛ちゃんを手に入れるなんて簡単だもん。」



「なんか、複雑ね」



「大丈夫だよ。簡単だから。裏にいた凛ちゃんだから簡単なんだよ」



「そういうもんなの?」



「そういうもんなの」



「ふ~ん」



死んだことになった………………か。


本当に死亡届を出すわけではないけど………………


そこらへんの、手続きって本当に大丈夫なのだろうか。



「ほら、行くよ。あっ!学校は今日で最後だから」



「急ね」



「うん。あんな学校、行かなくていいよ。行く意味がない」



「学業は大切なんだけど」



「問題ないよ。凛ちゃんなら。頭いいから。1週間行かなくてもさぁ」



「1週間何してるの?」



「準備」

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