正体

第53話

遅刻をして先生には怒られたが、あとはいつも通りの学校生活だ。


学校が終わり、喫茶店に行った。


すぐに、朝のことを言った。



「拉致られた?」



「うん。柴田家について聞かれたの。前に、ファミレスで会った人に。その時は、彼だけじゃなかったけど」



「どんな子なの?」



「黒髪で、冷たい目をしてた。多分、私と同じくらいの年齢だと思う。あと、高級車に乗ってたから偉いと思う。なんだか、嫌な予感がしたの。関わってはいけないって感じの」



「う~ん。凛ちゃんと同い年ねぇ。偉い人で裏の人で?右目の横に、ホクロなかった?」



「あった」



「そっか。分かった」



「分かったの?情報少ないのに」



「うん。レストランにいたとき、3人組じゃなかった?可愛い顔をした子とかいなかった?」



「うん。いた」



「それ、悟さんの学園に通ってる生徒だよ」



「詳しいね」



「そこら辺は、これから説明するね。その男は、裏の社長さんだよ。若いのに凄いよね?」



「社長?あれが?」



「うん。柚月壱夜。確か、レオングループの社長の次男だったよ」



「へ~ぇ。大きな企業なら、裏会社も大きい?」



「うん。大きいよ。とっても」



私、大変なことしたかな?

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